『読み物としては面白いが』
25000/1の地形図を持って山に入るのは当然として、歩きながら頻繁に地図を確認するのは事実上困難だ。ルートファインディングでの地図とコンパスは、現在位置が正確に分かっていないと役に立たない。現在の位置を確認するのは標識の有る所が一番だが、そう都合良くは行かない。目印になる物、位置を特定できるもの(目立った地形や樹木)が有る場合はそれによって現在地を知ることができるが、初めての山で地形図だけで現在地を言い当てるのはほとんど無理だろうと思う。高度計などの助けが無ければ難しいと思う。初めての山で、薮で周りが何も見えない道、霧で目標になるピークや稜線が見えない時、実際には思ったようには行かない事が多いと思うのだが・・・。
知っている山を地図と照らし合わせて地形を思い描くのは簡単だから、筆者も現場で地図を見ろとしつこく言っているのだろうが。
筆者の地図読みの技術解説は的確で、とても良いのだが、仮にこの本のテクニックを総て覚えたとしても、読めない地形が幾らでも有る事をもう少し正直に書いてあれば、と思う。
GPSは今や絶大な威力を発揮するし、下手な地図読みよりは数段当てになる。そして、25000/1の登山道が実際と違っていたりする場合でも、新しい登山地図では指摘されている事も多く、普通に、普通の山に登る人には登山地図とコースガイドは地形図よりも有用な場合も多々ある、と思うのだが・・・素人の勘違いか?